フィリピンへの移住を検討する際、子どもの教育環境は重要な課題となります。
特に、どの学校に通わせるかは、子どもの将来に大きな影響を与えるため慎重に選ぶ必要があります。
本記事では、フィリピン移住時の学校選び方を徹底解説し、学費や教育環境、学校ランキングについても詳しく紹介します。
また、インターナショナルスクールやプライベートスクール、現地の小学校の特徴についても触れ、どのような教育環境が適しているかを考える際の参考になる情報を提供します。
初めての海外移住でも安心して学校を選べるようサポートする内容となっていますので、ぜひご覧ください。
- フィリピンの公立校と私立校の違い
- インターナショナルスクールやプライベートスクールの特徴と学費
- フィリピンの交通事情と学校選びにおける立地の重要性
- 現地の小学校でのカリキュラムや教育環境の概要
フィリピン移住で学校を選ぶ際のポイント
移住先で学校を選ぶ!学校選びの基本と注意点
フィリピンへの移住を検討する際、子どもの教育環境は重要な要素となります。
特に、現地の小学校を選ぶ際には、以下のポイントを考慮することが大切です。
- 公立校と私立校の違いを理解する
フィリピンには公立と私立の小学校が存在し、それぞれ教育環境やカリキュラムに違いがあります。 - カリキュラムと教育方針の確認
学校ごとに採用しているカリキュラムや教育方針が異なります。
例えば、宗教教育を重視する学校や、英語教育に力を入れている学校などがあります。 - 学費やその他の費用の把握
私立校では、学費が高額になる場合があります。
また、学費以外にも制服代や教材費、PTA費用などが必要となることがあります。 - 学校の立地と通学手段の検討
学校までの距離や通学手段も重要なポイントです。
特に都市部では交通渋滞が頻繁に発生するため、通学時間が長くなる可能性があります。 - 学校の評判や口コミの収集
実際にその学校に通っている生徒や保護者からの情報は非常に参考になります。
以上のポイントを踏まえ、子どもにとって最適な教育環境を提供できる学校を選ぶことが大切です。
慎重に情報収集を行い、家族全体で話し合いながら決定してください。
私立と公立の違い
以下の分類で整理するとわかりやすいです。
インターナショナルスクール
私立
- 基本的に私立(プライベートスクール)に分類されます。
- 国際基準のカリキュラム(例: IBプログラム、アメリカ、イギリス、日本などのカリキュラム)を採用しており、主に外国人の子どもや、海外教育を希望するフィリピン人富裕層の子どもを対象としています。
- 高額な学費がかかるのが特徴です。
プライベートスクール
私立
- フィリピン国内で運営される私立学校で、インターナショナルスクール以外の一般的な私立学校です。
- フィリピンの教育基準(DepEd: フィリピン教育省)のカリキュラムに従いつつ、教育の質や施設面で優れている場合が多いです。
- 学費はパブリックスクールより高いですが、インターナショナルスクールほど高額ではありません。
パブリックスクール
公立
- フィリピン政府(教育省)によって運営される学校で、初等教育(小学校)から中等教育(高校)までは基本的に学費無料です。
- 地域の子どもたちが対象で、カリキュラムは政府の基準に沿っています。
- クラス規模が大きい(1クラス50人以上になることも多い)ため、教育の質や設備が限られる場合があります。
それぞれ目的や特徴が異なるため、家庭のニーズや予算に応じて選ばれる傾向があります。
学費の違い
フィリピンではインターナショナルスクール、プライベートスクール、パブリックスクールで学費に大きな差があります。
以下にそれぞれの学費の目安と特徴をまとめました。
インターナショナルスクール
学費:非常に高額(年間30万~300万円以上)
- 学費は学校やカリキュラムによって異なりますが、最も高額な教育機関です。
- 例えば、International School Manila (ISM) や British School Manila (BSM) のような学校では、年間学費が100万~300万円程度になります。
- 入学金やその他の費用(教材費、施設費、スクールバス費用など)が追加でかかる場合があります。
- 教育は英語を基盤とし、外国人教師やグローバルなカリキュラムを提供します。
プライベートスクール
学費:中程度(年間5万~100万円程度)
- 一般的なプライベートスクールの学費は比較的幅広いですが、インターナショナルスクールほどではありません。
- 例:Ateneo de Manila や De La Salle Universityの附属校 など、質の高い教育を提供するプライベートスクールでは年間20万円~50万円程度が多いです。
- 一部の宗教系や専門カリキュラムを提供する学校も含まれます(例:モンテッソーリスクール)。
- 学費に加え、制服代、教材費、活動費などが別途必要になることがあります。
パブリックスクール
学費:基本的に無料(初等~中等教育)
- 小学校と中学校(初等・中等教育)は政府が運営し、授業料は無料です。高校でも基本的には無償化されています。
- ただし、制服代や教材費、学校行事費用などの「間接費用」が少額かかる場合があります(年間1万~3万円程度)。
- 教育資源が限られるため、クラスサイズが大きく、個別指導の時間が少ない傾向があります。
比較表
学校タイプ | 年間学費の目安 | 主な特徴 |
---|---|---|
インターナショナルスクール | 30万~300万円以上 | 高額、グローバル教育、少人数制、設備が充実 |
プライベートスクール | 5万~100万円程度 | 中程度の費用、質の高い教育、特色あるカリキュラム |
パブリックスクール | 無料(間接費用あり) | 無料、地元の生徒向け、大人数クラス、設備は基本的 |
注意点
- 学費以外の追加費用(入学金、教材費、課外活動費など)は、特にインターナショナルスクールやプライベートスクールでは大きな負担になることがあります。
- フィリピンでは、教育費が家庭の経済状況に大きく左右されるため、家庭の予算や将来の計画に基づいて学校を選ぶことが一般的です。
どのタイプの学校を選ぶかは、教育目標や予算、子どもの将来を考えた上で決定する必要があります。
学校の立地と通学手段の重要性

学校の立地と通学手段は、フィリピンで学校を選ぶ際にとても重要です。
通学が子どもや家族に与える影響を、簡単に整理しました。
1. フィリピンの交通事情
- 渋滞がひどい
特にマニラやセブなどの都市部では、交通渋滞が毎日あります。
家から学校までの距離が短くても、通学に数時間かかることもあります。 - 公共交通機関の課題
ジープニーやトライシクル(現地の乗り物)は便利ですが、混雑していたり、快適でない場合もあります。
子どもが安全に通える手段を考える必要があります。
2. 学校が近いと便利
- 学校が家から近いと、通学や送迎のストレスが少なくなります。
また、交通費も抑えられ、経済的なメリットがあります。
- 都市部
交通渋滞が多いものの、学校の選択肢が多いです。
インターナショナルスクールや有名なプライベートスクールは都市部に集中しています。 - 郊外
渋滞は少ないですが、学校の選択肢が限られる場合があります。
3. 通学方法の選択肢
- スクールバス
安全で便利ですが、費用がかかります。
渋滞で早朝のピックアップになることもあります。 - 自家用車
家族が送迎する場合、時間に余裕が必要です。
学校の送迎エリアが整っているかも確認しましょう。 - 公共交通機関
ジープニーやトライシクルを使う場合、混雑や安全性に注意が必要です。 - 徒歩や自転車
学校が近ければ便利ですが、周辺の交通状況を確認しましょう。
4. 安全面のチェックポイント
- 治安
一部のエリアでは犯罪率が高い場合があります。 - 通学路の安全
交通量が多い道路や危険な交差点があると、事故のリスクが高まります。
5. 長時間通学の影響
- 通学時間が長いと、子どもが疲れてしまい、勉強や睡眠に影響を与えることがあります。
- 放課後の活動や宿題の時間が十分に取れなくなる場合もあります。
- 学校が家から近いか(通学時間は30分~1時間以内が理想)。
- 通学手段が安全で快適か。
- 子どもの生活リズムに無理がないか。
学校の教育の質と通学のしやすさのバランスを考えて選ぶことが大切です!
フィリピン移住で知っておきたい小学校情報

フィリピンの小学校は日本とどう違う?
フィリピンの小学校は日本の小学校といくつか大きな違いがあります。
以下に主な違いをまとめました。
項目 | フィリピン | 日本 |
---|---|---|
教育システム | 幼稚園+小6+中4+高2 | 幼稚園(任意)+小6+中3+高3 |
使用言語 | 英語、タガログ語(地域言語も) | 日本語 |
制服 | 公立も制服あり | 公立は私服が多い |
給食 | 給食制度なし、自前または売店で購入 | 給食制度あり |
クラスの規模 | 50人以上も珍しくない | 20~40人 |
学校行事 | 宗教的行事が多い | 季節ごとの多彩な行事 |
フィリピンと日本の小学校は、教育の目的や文化、環境の違いが大きく反映されています。
どちらも独自の良さがあり、それぞれの国の生活や文化を学ぶ大切な場になっています!
小学校で学ぶ教科は?
フィリピンの小学校で学ぶ教科は、学校の種類によって少し異なります。
それぞれの学校(インターナショナルスクール、プライベートスクール、パブリックスクール)で学ぶ教科を表にします。
教科 | インターナショナルスクール | プライベートスクール | パブリックスクール |
---|---|---|---|
英語 | 国際基準の英語教育 | 読解、作文、スピーチ | 読解、作文、文法 |
数学 | 高水準の国際数学 | 算数、代数、幾何 | 算数中心 |
科学 | 実験を伴う科学教育 | 生物、物理、地学の基礎 | 自然科学の基礎 |
社会 | 世界史、地理、現代社会 | フィリピンの歴史、地理 | フィリピンの歴史、文化 |
フィリピン語 | 基本的に含まれない | 一部必修 | 必修 |
音楽・芸術・体育(MAPEH) | 音楽、デザイン、健康 | 音楽、図工、体育 | 音楽、図工、体育、保健 |
宗教または倫理 | 宗教(オプション) | 必修(宗教系学校の場合) | 倫理(ESP) |
外国語 | スペイン語、フランス語など | 一部学校で外国語あり | 基本なし |
ICT | プログラミング、コンピュータリテラシー | コンピュータ基礎 | コンピュータ基礎 |
家庭科・技術 | 含まれない場合もあり | 家庭教育、手工芸 | 基礎的な家庭科や職業技術教育 |
- インターナショナルスクールは、世界基準の幅広いカリキュラムを持ち、グローバルな視点を養います。
- プライベートスクールは、フィリピンのカリキュラムを基盤としつつ、学校独自の教育を提供します。
- パブリックスクールは、フィリピンの伝統的な基礎教育を中心に構成されていますが、設備や資源の制約があります。
家庭の目的や子どもの適性に応じて最適な選択肢を考えるとよいでしょう!
小学校の授業時間は?
フィリピンの小学校の授業時間
- 半日制(シフト制)が多い
- フィリピンの公立小学校では、午前シフト(例: 午前7時~12時)と午後シフト(例: 午後1時~6時)に分かれる学校が多いです。
- これは、生徒数に対して教室や設備が足りないためです。
- 授業時間
- 1日あたり4~5時間程度の授業が行われます。シフト制のため、フルタイムではなく半日だけの授業です。
- 科目の例: 英語、数学、科学、フィリピン語、社会科、宗教(宗教系学校の場合)。
- 私立学校やインターナショナルスクール
- 一般的に、公立よりも授業時間が長く、フルタイムのスケジュール(例: 午前8時~午後3時)を採用しています。
- 課外活動や特別授業が含まれる場合があります。
比較項目 | フィリピン(公立) | フィリピン(私立) | 日本 |
---|---|---|---|
授業時間 | 1日4~5時間(半日制) | 1日6~8時間(フルタイム) | 1日6時間(フルタイム) |
スケジュール | 午前シフトまたは午後シフト制 | 午前8時~午後3~4時頃 | 午前8時半~午後3時頃 |
1コマの授業時間 | 約30~40分 | 約40~50分 | 低学年45分、高学年50分 |
放課後 | 基本なし(半日制のため) | クラブ活動、課外授業あり | 放課後クラブや補習あり |
課外活動 | 限定的 | スポーツ、音楽、科学クラブなど充実 | 運動会、文化祭、クラブ活動など豊富 |
フィリピンの公立小学校は半日制が多く、授業時間が短いのが特徴です。
一方、私立やインターナショナルスクールでは授業時間が長くなる傾向があります。
特に公立校では資源や施設の不足が理由で授業時間が短い場合がありますが、それを補うために家庭での学習や塾に通う子どもも増えています。
日本から移住する場合、どの学校を選ぶ?
学校選びのポイント
日本からフィリピンに移住する場合、子どもに合った学校を選ぶことは非常に重要です。
以下のポイントを考慮して学校を選ぶとよいでしょう。
学校の種類 | 特徴 | おすすめの場合 |
---|---|---|
日本人学校 | 日本の教育に準拠。帰国後もスムーズに日本の学校に戻れる。 | 日本の教育を継続したい、将来的に帰国予定がある場合。 |
インターナショナルスクール | 英語での授業、多国籍の環境。国際カリキュラムが多い。 | 国際的な視野を育てたい、英語を早く習得させたい場合。 |
私立学校 | 英語が主な授業言語。現地の文化も体験できる。 | 費用を抑えつつ、良質な教育を受けたい場合。 |
公立学校 | 授業料無料。現地の生活や文化に完全に溶け込むことができる。 | 費用を抑えたい、または短期間の滞在で柔軟な対応が必要な場合。 |
目的や状況に合わせて、慎重に選ぶと良いでしょう!
学校見学や相談もおすすめです。
学校選びの傾向
移住者がどの学校を選ぶかは、家族の状況や目的によって異なりますが、以下のような傾向があります。
- 駐在員家庭
- 日本人学校やインターナショナルスクールを選ぶことが多いです。
- 日本の教育に近い環境を希望する場合は、日本人学校を選択。
一方、英語力や国際教育を重視する場合は、インターナショナルスクールに通わせます。
- 移住者家庭(長期滞在予定)
- 学費を抑えつつ、現地の文化に慣れたい場合は、私立学校や一部の公立学校を選ぶことがあります。
- 子どもの英語力や将来の進路によっては、インターナショナルスクールを選ぶ家庭もあります。
以下、よく選ばれる傾向を表にしました。
学校の種類 | 家族の状況や目的 |
---|---|
日本人学校 | 駐在員家庭、帰国予定のある家庭 |
インターナショナルスクール | 国際教育を重視する家庭、長期的に海外滞在予定の家庭 |
私立学校 | 学費を抑えたい家庭、英語教育、現地文化に触れさせたい家庭 |
公立学校 | 短期滞在や低予算の家庭、現地完全適応を目指す家庭 |
どの学校を選ぶかは家族の状況や目的によって異なりますが、フィリピンでの生活スタイルや将来の計画に合った学校を選ぶことが重要です。
また、学校見学や他の日本人保護者からの情報収集も役立ちます!
インターナショナルスクールのランキングと選び方
インターナショナルスクールのランキングは?
インターナショナルスクールのランキング情報は限られていますが、特に評価の高い学校をいくつかご紹介します。
- ノード・アングリア・インターナショナル・スクール・マニラ(Nord Anglia International School Manila)
世界有数のプレミアムスクール組織であるNord Anglia Educationのマニラ校で、30カ国以上の国籍の生徒が在籍しています。 - インターナショナル・スクール・マニラ(International School Manila)
世界70ヶ国以上から生徒が集まり、多彩な交友関係を築ける学校です。 - シンガポール・スクール・セブ(Singapore School Cebu)
学年に応じてシンガポールカリキュラム、ケンブリッジIGCSEカリキュラム、IBプログラムを採用し、幅広い教育内容を提供しています。 - セブ・インターナショナル・スクール(Cebu International School)
セブ島に位置し、国際バカロレア(IB)プログラムを提供する学校です。 - ブレント・インターナショナル・スクール・マニラ(Brent International School Manila)
100年以上の歴史を持つラグナのインターナショナルスクールで、約40ヶ国の児童と10ヶ国の教師が集まります。
学校選びの際は、カリキュラム、学費、立地、生徒の国籍比率などを考慮することが重要です。
各学校の公式サイトや現地の評判を参考に、最適な環境を選択してください。
インターナショナルスクールの選び方
インターナショナルスクールを選ぶ際には、以下のポイントを考慮することが重要です。
- カリキュラムの内容
学校が採用している教育プログラムが、お子様の学習スタイルや将来の目標に適しているかを確認しましょう。 - 学費
学費は学校によって大きく異なります。
年間の学費が家計に与える影響を考慮し、無理のない範囲で選択することが大切です。 - 立地と通学時間
学校の所在地が自宅から通いやすいか、通学時間が適切かを検討してください。
長時間の通学はお子様の負担となる可能性があります。 - 教師の質と経験
教師陣の資格や経験、教育方針が信頼できるかを調査しましょう。
質の高い教育は、優れた教師陣によって支えられます。 - 学校の雰囲気と文化
学校の教育理念や文化が、お子様の性格や価値観に合っているかを確認することも重要です。
可能であれば、学校見学やオープンハウスに参加し、実際の雰囲気を感じてみてください。
これらのポイントを総合的に検討し、子どもの個性や家族のニーズに最適な学校を選ぶことが重要です。
学校選びは子どもの将来に大きな影響を与える重要な決断です。
家族で十分に話し合いながら、最適な選択肢を見つけてください!
英語教育に徹底するなら私立学校
小学校であれば年間の学費は15万円程度。授業のカリキュラムはすべて英語
幼少期に英語が話せるようになれば、その後の未来の進路は日本だけでなく世界が選択肢になるはずです。
もちろん、日本で暮らす選択することも出来ますが、日本以外でも暮らす、働くという選択肢を持って
生きていくということは、人生にとって大きな財産になるはずです。
お子さんに色々な選択肢を持たせてあげたいというのは、今の日本で生活する
子育てする親御さんには切実な願いだと思います。
フィリピンの公立学校の現在
サラ・ドゥテルテ副大統領、兼教育大臣が辞任した際には、公立学校への補助金分配が遅れて
予算不足の学校が週3日しか運営できないような状況が一時的に発生していました。
また2023年には「宿題禁止法」が制定されました。
正確には家族とより長く過ごすために、週末は宿題は禁止するという法律です。
フィリピンの公立学校の教育は、日本から見るとあからさまに子供たちの教育に力を入れていないように
見える政策や状況が多々あります。
日本からフィリピンの公立学校に入学させるということを検討することは
なかなか無いとは思いますが、もしお子さんをフィリピンの学校に入れる場合には
私立学校(プライベートスクール)、インターナショナルスクールスクールで検討した方が賢明です。