1. フィリピンの富裕層の年収は
フィリピンで「稼げる仕事」ってどんな職業があるの?と気になったことはありませんか?
本記事では、日本で一般的に富裕層とされる職業のフィリピンでの平均年収を調査し、
その実態を分かりやすくまとめました。
フィリピンでは、仕事によって収入の差が大きく、同じ職種でも地域や経験によって給料が大きく変わります。
例えば、医師や弁護士のような専門職は高収入ですが、ITエンジニアやYouTuberなどの新しい分野も注目されています。
ここでは、様々なデータを元に、各職業の年収の目安や特徴を紹介します。フ
ィリピンの経済事情や仕事の可能性を知るきっかけになれば嬉しいです。
2. フィリピン職業別平均年収

職業 | フィリピン平均年収 (PHP) | フィリピン平均年収 (円) | 日本平均年収 (円) | 倍率 (日本 / フィリピン) |
---|---|---|---|---|
医師(一般医および専門医) | 1,451,909 | 約3,629,772円 | 約12,000,000円 | 約3.31倍 |
弁護士 | 1,249,432 | 約3,123,580円 | 約10,000,000円 | 約3.20倍 |
パイロット | 1,266,398 | 約3,165,995円 | 約15,000,000円 | 約4.74倍 |
外資系投資銀行トレーダー・アナリスト | 924,786 | 約2,311,965円 | 約12,000,000円 | 約5.19倍 |
大手経営者・企業オーナー | 4,765,617 | 約11,914,042円 | 約20,000,000円 | 約1.68倍 |
プロスポーツ選手 | 365,696 | 約914,240円 | 約30,000,000円 | 約32.81倍 |
芸能人・YouTuber・インフルエンサー | 1,000,000(推定) | 約2,500,000円 | 約10,000,000円 | 約4.00倍 |
ITエンジニア | 1,028,048 | 約2,570,120円 | 約6,000,000円 | 約2.33倍 |
大学教授 | 960,906 | 約2,402,265円 | 約8,000,000円 | 約3.33倍 |
公認会計士 | 892,654 | 約2,231,635円 | 約7,000,000円 | 約3.14倍 |
税理士 | 630,000 | 約1,575,000円 | 約6,000,000円 | 約3.81倍 |
(為替レート1PHP=2.5円で換算)
3. 各職業の簡単な説明と年収格差
- 医師: 患者の診察や治療を行う専門家。専門分野や勤務先で収入に差がある。
- 弁護士: 法律の専門家。企業法務や刑事・民事訴訟を担当し、経験や成功報酬で収入が変動。
- パイロット: 航空機の操縦士。航空会社勤務や機種によって年収に差がある。
- 外資系投資銀行トレーダー・アナリスト: 金融市場の分析や資産運用を行う。高収入だが成果主義の側面も強い。
- 経営者・企業オーナー: 会社を運営し、成功すれば高収入だが、経営リスクも伴う。
- プロスポーツ選手: 競技で収入を得るが、人気や成績によって大きく異なる。
- 芸能人・YouTuber・インフルエンサー: メディアやSNSで活躍し、広告収入やスポンサー契約で収入を得る。
- ITエンジニア: システム開発やプログラム作成を行う。専門スキル次第で収入が大きく異なる。
- 大学教授: 大学で教鞭をとり、研究も行う。国公立か私立かで給与水準に違いがある。
- 公認会計士: 企業の財務監査や会計業務を担当し、資格と経験で収入が決まる。
- 税理士: 企業や個人の税務申告を支援する専門家。経験や顧客数で収入が変わる。
4. 分析と考察
フィリピンにおける富裕層、高収入職業の収入は、日本と比較すると低い水準にありますが、地域、経験年数、専門分野によって大きく異なります。特にマニラ首都圏のようなビジネス中心地では給与水準が高く、経営者や金融系専門職は特に高額の報酬を得る場合が多いです。
また、プロスポーツ選手や芸能人・YouTuberのような職業は、成功すれば非常に高い収入を得ることが可能ですが、
一般的な平均収入はそれほど高くない点に注意が必要です。上記の例はあくまで成功した場合の平均としての目安です。
ITエンジニアや大学教授、公認会計士などの職業は、安定した収入が得られる傾向にあります。
フィリピン総資産の76%を保有する「超」富裕層たち

フィリピンでは、上位10%の所得層が総資産の76%を保有しているとされています。
またそれらは特定の財閥やグループ企業の存在によって顕著に示されています。
以下に、フィリピンで著名な財閥およびその企業グループを紹介します。
フィリピンにおける「財閥」とは?
フィリピンの財閥(コングロマリット)は、家族経営を基盤に持ち、
複数の業界にまたがる巨大企業グループを指します。
これらの財閥はフィリピン経済の主要なセクター(銀行、不動産、小売、エネルギー、メディア、製造業など)を支配しており、
国の経済発展に大きな影響を与えています。
以下、挙げられた企業が財閥に分類される理由を詳しく解説します。
財閥や企業グループ一部
1. アヤラ・コーポレーション (Ayala Corporation)
- 設立: 1834年
- 主要業種: 不動産、銀行、通信、エネルギー
- 概要: 不動産業を中心に、銀行業、通信業、エネルギー事業など多岐にわたる事業を展開しています。
- 主な子会社:
- アヤラランド (Ayala Land, Inc.): フィリピン最大の不動産開発会社
- バンク・オブ・ザ・フィリピン・アイランズ (BPI): フィリピンで最も古い銀行の一つ
- グローブ・テレコム (Globe Telecom): 主要通信会社の一つ
- フィリピン最古の財閥であり、スペイン植民地時代から続く名門。
- 不動産(Ayala Land)、銀行(BPI)、通信(Globe Telecom)、エネルギーなど、多角的な事業を展開。
- 家族経営(現在はアヤラ家が中心)。
2. SMインベストメンツ (SM Investments Corporation)
- 設立: 1958年
- 主要業種: 小売業、不動産、銀行
- 概要: フィリピン最大の小売業者であり、国内外に広がる巨大ショッピングモールを運営。
不動産開発や銀行業務にも事業を拡大しています。 - 主な子会社:
- SMプライム (SM Prime Holdings): フィリピン最大のショッピングモール開発および運営会社
- BDOユニバンク (BDO Unibank, Inc.): フィリピン最大の商業銀行
- SMデベロップメント (SM Development Corporation): 住宅開発事業を展開
- モール開発・銀行・不動産の3本柱で経済を牽引。
- BDOユニバンクは国内最大の商業銀行。
- 家族経営(設立者のヘンリー・シー家が支配)。
3. サンミゲル・コーポレーション (San Miguel Corporation)
- 設立: 1890年
- 主要業種: 飲料、食品、エネルギー、インフラ
- 概要: ビール醸造業としてスタートし、現在では飲料や食品事業だけでなく、エネルギーやインフラ分野にも事業を展開しています。
- 主な子会社:
- サンミゲル・ビール (San Miguel Brewery): アジア最大級のビールメーカー
- サンミゲル・フーズ (San Miguel Foods): 食品加工業界のリーダー企業
- サンミゲル・エナジー (San Miguel Energy Corporation): 電力供給を行うエネルギー企業
- アジア最大級の食品・飲料企業としてスタートし、現在はエネルギー・インフラ事業にも進出。
- 経営はプロフェッショナル化しているが、歴史的に財閥的な影響力を持つ。
4. JGサミット・ホールディングス (JG Summit Holdings)
- 設立: 1954年
- 主要業種: 食品製造、航空・輸送、不動産開発、石油化学、銀行
- 概要: フィリピン最大かつ最も多角的なコングロマリットの一つであり、幅広い産業に事業を展開しています。
- 食品(URC)、航空(セブ・パシフィック航空)、銀行、不動産など、多角経営を展開。
- ゴコンウェイ家による経営。
5. LTグループ (LT Group)
- 設立: 1937年
- 主要業種: たばこ、酒類、銀行、不動産
- 概要: フィリピンのたばこ産業を中心に、酒類、銀行、不動産など多岐にわたる事業を展開しています。
- 創業者ルシオ・タン(Lucio Tan)のファミリーが所有・経営。
6. ロペス・ホールディングス (Lopez Holdings Corporation)
- 設立: 1993年
- 主要業種: 発電、メディア
- 概要: フィリピンの発電およびメディア業界でリーダー的存在であり、国の発展に寄与しています。
- メディア(ABS-CBN)と発電事業を中心に展開。
- ロペス家が支配。
これらの財閥や企業グループは、フィリピン経済の中枢を担い、
上位10%の所得層が総資産の大部分を保有する状況に大きく寄与しています。
フィリピン経済は、これらの財閥が大きな影響力を持っており、
多くの主要産業をコントロールしているため、
「財閥資本主義(Crony Capitalism)」とも言われることがあります。

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